本工事はJR常磐線の綾瀬‐金町間に架かる第5亀有架道橋のペイント塗替工事です。
この架道橋に前回塗装工事を施したのは標準塗装周期を大幅に超える35年前で、桁の側面が色褪せ、下部では塗膜が一部
剥がれ落ちているような状況になっていました。
今回の工事では、線路内の作業は線路閉鎖間合で施工し、線路外(桁下)の作業は交差する都道318号線の道路使用間合での
施工でした。特に線路外の作業は、道路上空の高さの制限により、施工期間中を通じて車道上空に仮設足場を設置することが
困難であったため、道路の通行を規制できる夜間に作業帯を確保し、高所作業車を日々配置しての施工となりました。
留意した点としては、主桁がボックス桁構造であり、空気が循環しづらい環境でしたので、桁内部の施工前に有資格者による
環境測定(酸素濃度の計測)を行ったうえで送風機を用いて換気を行うことで、作業員の酸素欠乏症を防ぎました。
また、当初の工事計画では橋桁の塗替工事のみを予定していましたが、施工中にバラスト落下防止板の変形を複数個所で確認
したため、発注者さまと協議して修繕工事を実施いたしました。
常磐線という重要な路線、かつ、自動車の通行量も多い架道橋という、施工条件の厳しい現場であったことに加え、関係者の
尽力のもと無事故で工事を完遂することができました。