JR羽越本線は、新津駅(新潟市秋葉区)を起点として秋田駅(秋田市)を終点とする延長271.7kmの路線です。新潟平野・庄内平野・秋田平野の日本海側という日本有数の穀倉地帯を縦断しているため、美しい田園風景と山並み、そして変化に富んだ海岸線を車窓から望むことができます。
当該橋りょうは区間の中間付近に位置し、最上川と共に山形県を代表する一級河川である赤川に架かっています。桁形式は下路ワーレントラス(スルートラス)で、径間64.9m×6連の延長約390mの単線橋りょうです。2019年から毎年2連づつの3ヵ年計画で施工しており、2021年が最終年となります。
施工に際してはJR担当者と共に河川管理者と何度も協議を重ね、本来は非出水期(10~3月)での施工を求められるところ、特別に出水期(4~9月)施工の許可を受けることが出来ました。理由としては、元来この路線は日本海側特有の海からの強風にさらされることが多く、特に秋以降は風速10m以上の強風が吹き荒れることで頻繁に列車運行が乱れ安全確保が困難であること、また11月中旬以降は降雪の影響で施工自体が行えないことが挙げられます。但し、「高水敷への工事車両の乗入れを禁止する」・「入梅前の6月中旬までには仮設物を全て撤去し、原状回復を完了する」という条件での許可でした。そのため期限までに確実に工事を完了するべく、工事管理者と作業員を2班体制にしての昼夜兼行での施工により、2019,2020年については無事に完了することが出来ました。2021年も無事故で完工出来るよう、一丸となって安全施工に努める所存です。そして微力ながら公共輸送の安全・安定確保に寄与して行きたいと思います。